こんにちは、マーケティングデザインの小野寺ひかりです。マーケティングデザインでは「皆さまからお預かりした広告予算以上の成果を出す」がモットーです。その上で欠かせないエリアマーケティング戦略について、4回にわたってお話させていただきます。
前回のブログでは商圏ポテンシャルの「現状把握」に活用できる国勢調査と、弊社の商圏レポートを例に、昼間人口および夜間人口に着目した分析方法をご紹介させていただきました。
今回はお客様の分布を知るための「顧客分析」について詳しくご紹介します。エリアマーケティングでの「顧客分析」は広告媒体を効果的に集客につなげる架け橋となりますので、ぜひ参考にしていただき実践してみてください。
(関連記事)
フィットネス業界のエリアマーケティング戦略(1)商圏ポテンシャルを知る現状把握
フィットネス業界のエリアマーケティング戦略(2)お客様の分布を知る顧客分析 ←本ブログ
フィットネス業界のエリアマーケティング戦略(3)自社の強みを知る競合分析
フィットネス業界のエリアマーケティング戦略(4)効果検証とPDCAサイクル
年齢構成比からターゲット年齢層を考える
最初に、国勢調査をもとに作成した人口ピラミッドのグラフを使った顧客分析を紹介いたします。このグラフを作成することでターゲットにする年齢層が可視化できるようになります。
下地にブルーの色がついている部分は、その地域の人口総数です。そこに会員様の分布をオレンジ色の棒グラフで当てはめました。
ここから読み取れる情報とは、前回のブログでも紹介したターゲット年齢層です。サンプルとして掲載した上記のグラフからは、人口と比較して平均的に30〜40代の会員様が多いということが分かります。そこで戦略として考えられることは、この年齢層を狙うのが効果的ではないか、ということです。
あるいは、カバー率の低い 20 代をターゲットに対策を考える方法も出てきますので、ハード面、ソフト面共に、各層に合わせた対策や傾向に視点を合わせていくことが可能となってきます。
会員分布図から町丁目ごとの会員分布を把握する
顧客分析のなかでも分かりやすい方法としておすすめするのが、マップを使った会員様のプロットです。この会員分布図を作ることで、どこから、どれだけの会員を集客できているのかを可視化できます。プロットから人数を割り出して、薄い緑、濃い緑、薄い赤、濃い赤と色別に分けたデータをご用意しましたので、ご覧ください。
おそらく、このようなプロットを作成している施設は多いのではないでしょうか。このグラフを見ると、会員が多く実在する濃い赤の集客エリアが成功しているように思えませんか?しかしこの赤いエリアは実際の人口も多いエリアだとします。そうなると成功とはいえません。なぜなら人口の多いところは会員様がたくさんいて当前だからです。
ここで何が重要になってくるかというと、会員様がどのエリアから入会しているか、その人数だけではなく、エリア別にどれだけ高い率で入会が取れているかを知ることが重要になってきます。
ここで活用するのが、次に紹介する「参加率マップ」です。
参加率マップで見る 集客目標値の割り出し
弊社のお客様からよく「地方と都市部では参加率は違うのではないか」というような質問をいただきます。
そこで、自社の店舗の入会率がフィットネス業界の平均より高いか、それとも低いのかを把握していただくために、スポルテック2016に合わせて弊社独自のデータから距離と参加率を集計し「業界平均参加率マップ」を作成しました。顧客プロットから20%、40%、60%、80%の4段階で商圏の参加率を割り出したグラフです。
例えば会員様が1000人いて、会員様の20%、つまり200人も来ているところが20%商圏ということで、参加率が高いという認識でお願いします。
黄色枠の数字はそれぞれの「業界平均参加率」を割り出した数字になります。店舗から距離があると同時に徐々に参加率も下がることがお分かりいただけます。
この参加率をもとに、集客目標値を割り出します。その計算方法は「ターゲットエリアの人口総数」−「平均参加率」です。この分析方法で現状の会員数様からそれぞれ 20、40、60、80%と4段階踏んでいただいて、それぞれのゴール設定、集客エリアの目標人数を決めていただくのがいいのではないかと考えております。実際に引き算をしたのがこちらのデ ータです。
先ほどの会員分布図で赤かった、集客に成功していると考えていた部分こそ、実は集客目標のエリアだったりもするんです。もちろんこれはダミーデータなので本当とは限らないんですけれども、参加率から目標値を割り出していくことで、確実な戦略につなげることができます。
例えば、あれだけ集客できてるように見えたエリアが、実はもう少し集客できる可能性があるということで、町丁目ごとにポスティングを攻めるというような対策も立てれますし、 プラスだったからといって放置するのではなく、もっとそこを攻めてみようかなと考えてみることもできます。ぜひ参考にしていただき、広告プランに取り組んでみてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は顧客分析に役立つ年齢構成比、会員分布、業界平均参加率をご紹介しました。どれだけ顧客獲得ができているか、どこをターゲットにしていけばより集客につながるかなど、数字から見ることができれば、その地域の傾向や対策を練る素材になりますので、ぜひ活用してみてください。
次回号では、自社の強みを知るための「競合分析」についてお話しさせていただきます。次回もぜひお楽しみに!(小野寺)
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