お客様から寄せられる質問のひとつに、「自分のお店でどれだけの人が集客できるか分かる方法ってあるの?」と聞かれることがあります。
あるいは、「もうちょっと折り込みチラシの反響が良くていいと思うんだけど、このエリアだとどれくらいが期待できるんだろう・・・?」こんな質問もあります。
皆様はいかがでしょうか?
集客の目標の人数は決まっていても、現状の集客がうまくいっているのか、そうでないのかを自社で判断するのは難しいことだと思います。
これからお話する「エリアマーケティング」という方法に則って広告展開をすると、
1)自社の現状と、2)理想の商圏、3)目標会員数に対する広告戦略が、きわめて分かりやすく見える化できます。
出店準備をされている方、今のチラシ配布方法に悩んでいる方へ。マーケティングデザインでは以下の4回にわたり、エリアマーケティングについて惜しみなくお伝えしていきます!
==エリアマーケティング目次==========
1回目 <エリアマーケティング初級編>国勢調査から“集客の現状”を知る3つの方法 ←今回
2回目 <エリアマーケティング中級編>スポーツクラブの“集客力ポイント”をライバル店と比較する方法
3回目 <エリアマーケティング上級編>スポーツクラブの“理想の商圏”を知る方法
4回目 <エリアマーケティング応用編>理想の商圏で一番効果的な広告活動をするために
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まずは初級編として、国勢調査から分かる自社の集客できる見込み客数を知る方法をお伝えします。集客に関わる方必見ですよ!!
~この記事は、SPORTEC 2015で開催した「集客目標達成の為の戦略的エリアマーケティング」というセミナー内容をもとに、Web用に再編集してお届けしています~
エリアマーケティングとは“理想の商圏”を知って効率よく広告戦略を立てること
エリアマーケティングとは、自社の本当のターゲットが、どこに・たくさん住んでいるのかを知り、効率良く販売戦略を立てていくことです!
現在は、スポーツクラブはもちろん、例えば郊外型の大型ショッピングモールやコンビニエンスストアが出店するときなども、自社の市場規模を確実に知り、そしてライバル店の状況も知るという意味でエリアマーケティングが行われています。
具体的には、国勢調査から分かる人口統計や人口分布、世代構成、年代構成、昼夜人口差などの現状を知り、商圏を細分化し、見込み客の動向を調べるだけではなく、より効果的な広告戦略を組み立て、実施する販促手法の検討していきます。
例えば自社の会員数が1000人に対し、目標会員数が1500人だった場合。残りの500人はどこから・どうやって集客しますか?
“いつもの足元商圏”に新聞折り込みを続けていたとしても、果たしてそこは正しい商圏なのでしょうか?
残りの500人を効率よく集客するために、商圏と考えているエリアにはどんな人が住んでいて・どんな人をターゲットにできるのか、そして、自社の会員数と目標数はどのくらいかけ離れているのか、そして、ライバル店との関係性を細かく分析することが大切です。
まず、国勢調査から“集客の現状”を知る方法を知る方法をお伝えします。
自社の集客の現状を知る3つの方法
1)商圏の人口構成と自社の人口構成を比べてみる
「細野くん、うちの集客で弱い年齢層と強い年齢層を客観的に調べる方法はある?」と聞かれることがあります。
どこの施設も、現状把握をすることはマーケティングの戦略を立てる上ですごく大事です。現状把握をする上で国勢調査のデータが便利なので実際の使い方をご紹介いたしますね!
上記の折れ線グラフの青色の部分は国勢調査から調べた商圏の人口構成比です。赤い棒グラフは、実存するスポーツクラブの顧客データになります。
このように分布を並べてみると、商圏はもっと集客できる人口数を示しているのに、実際は集客しきれていないという事実が分かります。
この結果から、人口構成比に対して会員数が少ない10~19歳の集客に特化して行っていくことも一つの手立てとして考えられますし、真逆の観点で捉えてみるとポテンシャル以上に集客ができている20~30歳を伸ばしていくという選択肢もあります。
2)夜間人口・昼間人口を知り、広域からの集客が可能か検討する
こちらも国勢調査のデータが便利なので実際の使い方をご紹介いたします。
皆様は「夜間人口(やかんじんこう)」「昼間人口(ちゅうかんじんこう)」という言葉を聞いたことがありますか?
一般的に言われている「人口数」というのは、夜間人口を指しています。夜間に常住する人口のことですね。
それに対して昼間人口というのは、通勤だったり通学だったりで、昼間にいる人口のことを指しています。
では、縦軸を昼間人口、横軸を夜間人口と考えて都心部の人の動きを考察してみましょう。
比較的会社や学校が多く集まる中核市や特例市にあるスポーツクラブは、昼間人口が多いため広域からの集客が可能になります。例えば交通沿線を狙った広告展開などが効果を発揮してくるでしょう。
その反面、ベッドタウンにあるクラブは、昼間の人の動きが少ないです。ですから、折り込みチラシやポスティングで足元商圏の集客を固めることが重要です。
3)顧客の分布と参加率を知る
顧客の分布と参加率がどの程度かけ離れているのか分析します。
皆様のスポーツクラブでは、このように地図上に顧客情報を落とし込んでいますか? (この地図上に点々を落とし込むことを「プロット」と呼びます!!)
プロットをする際に基本的には“点々・・・”をマップの上に落とし込んでいく方法が主流ですが、点だけだと分かりにくいので、参加率が計算しやすいように町丁目ごとに色を塗ってみてください。
この地図は顧客の分布図です。この例で言うと、赤色の濃いエリアがお客さんの数が多く、緑色の薄いエリアにあると人数が少ないというのが一目で分かります。
次に国勢調査から人口に対しての参加率を計算します。参加率というのは人口に対しての自社の顧客の割合です。これも色を変えてマップにすると非常に分かりやすくなり、またマーケティングに使える重要な情報になります。
国勢調査の情報はここからご確認ください。→→→→ 平成22年国勢調査
スポーツクラブの所在地によってお店の持つポテンシャルは異なってきますが、具体的な集客の戦略を練るためには現状を把握することが何よりも大切です。
つぎはエリアマーケティングでは欠かせない「自社の魅力を知る方法」についてお話します。隣りのライバル店よりも優れいているのはどこなのか。地域ビジネスをしている方にとって知りたい情報ですよね。
「自社の“集客力ポイント”をライバル店と比較する方法」も惜しみなくお伝えいたします!では次回の記事もご期待ください。(細野)